
極狭チャンバーがもたらす濃密。
Vinegar Works(ビネガーワークス)から登場したANTIQUITY RDAは、その名の通りクラシックなスタイルのデッキながら、極端なまでにタイトにデザインされたチャンバー構造により濃密なミスト生成が期待されるアトマイザーです。
パッケージ
てなわけでANTIQUITY RDAです。カッコイイなぁ、わりと手頃だしなぁ...。ってなわけで入手したのですが、まったくもってVinegar Worksについて何も知りません。Vinegar=ビネガーって「お酢」だよね?ふ~む。まったくわからん。情報が無いんですよ。
内容物

- 1x ANTIQUITY RDA
- 4x Oリング(スペア)
- 2x ポストネジ(スペア)
- 1x コンタクトピン
製品詳細
ANTIQUITY RDA の外観
サクッと見ていきますよー。直径は22mm、全長わずか24.8mmと超ローハイトなのです。ピンの先からドリチの先までで24.8mmですよ。
これまで触れてきたアトマイザーの中でも最も丈が低い造りかも。堪りませんなぁ。
キャップトップが凹まされた部分が独特な形状でとっても特徴的ですね。下部にある2本のラインが良いアクセントになっていますよね。
ドリップチップは外径11.8mm、内径は3.7mmとなっています。内径の細さから言ってもMTL(マウス・トゥ・ラング=タバコ吸い)向けという事が想像されます。
エアインテーク(吸気穴)は1箇所のみ!しかもφ1.2mmと非常に小径となっています。間違いなくMTL向けですね。
このように入口と出口の流量が比較的似通っているほうが、スムースな吸気と排気になると思うんですよね。
コンタクトピンの突出量は0.3mmと控えめです。短絡的な面で言えば正しく使えば特に問題となる事もないでしょうってところですが、気になったのはピンの全長が4mmと短めなところ。大抵のアトマイザーは4.5mm程度はあるので、MODによっては接触不足が起こりえるかもしれませんね。
BFピン(スコンクピン)が装着されていました。この辺りからボトムフィードでの使用を推奨している感はあります。もちろん同梱のスタンダードピンにてドリッパーとしての使用も可能です。
ANTIQUITY RDA の詳細
分解しながら各パーツを見ていきましょう。
ドリップチップは510仕様となっています。キャップ側と同径ですから、汎用品を用いる場合も同径であるほうがルックとしてのフィット感は良いでしょう。
内部側はテーパーになっていますから、スムースにミスト排出されることでしょうね。
最大の見どころはデッキのサイズ。直径16mmで造られています。外径に対してキュッと縮まってるよね。
なのでトップキャップの厚みがゴツイのです。ゴツイから重い。内部も段を付けながら出口に向かって狭まっていくのが見てとれます。
こうして標準的な22mm径アトマイザー(右)と並べてみると、ANTIQUITY RDAのデッキがいかに小さな造りか分かると思います。大胆な設計ですねー。
本来であれば18~20mm径アトマイザーサイズのデッキと言えそう。これだけ狭い中でミスト生成されるのであれば、相当に濃密になるのではないでしょうか。
初期装着されていたという便宜上BFピン装着状態です。さすがにウェルは深くとられているので、すぐにドライでカラッカラという事もなさそうではありますが、なにせ小径デッキですからBF運用が向いていそうです。
シンプルな2ポールデッキ。昨今のアトマイザーではこういったシンプルな構造は減ってきています。なのでかえって新鮮に感じます。まぁ、お高めのアトマイザーでは現在でもよく見かけるとは言えますけど。
ポスト部分も特にガイド的なものも設けられていないので、多く流通している昨今の組みやすいアトマイザーと比べると劣る部分かもしれません。
ビルドしてみる
早速ビルドしました。26ゲージ内径2.5mmで7巻きとしました。抵抗値は0.86Ωとなりました。
垂直方向は適当にこのくらいとしました。
見ての通りネジ頭がおっきめだから、このくらいのサイズが限界と思ってよさそうです。そもそもMTL向けだからあまり大きなコイルを組む事もないでしょうけど。
適当なコットン量。画像で見てもどのくらいの量なのかなんてよくわからないよね。そこそこ削いであります。
重要なところですが、ANTIQUITY RDAはAFC(エアフローコントロール)不可です。常に決まった流量となりますです。
そしてデッキとトップキャップの位置決め的なノッチ等も無いので、デッキに対してエアホール位置ってのはユーザー次第となります。
コットンに当たる位置ってのはイマイチだと思うので、ポールかその左右ちょいズラシくらいに位置させるのが良いでしょう。
MODとの組み合わせ
18350MODにも似合います...ってバストアップ的な画像じゃよくわからんよね...。まぁ勘弁して下せえ。
iStick Picoにもバチッとハマります。シンプルと言えばシンプルなシェイプだから何にでも合わせやすいんじゃないかな。
スクエアボディにも似合いますね。
クリアキャップ(オプション)
オプションパーツになりますが、クリアーなキャップも販売されています。ホントにスケスケなヤツです。
まったく標準のSUS製と同形状ですから違和感もなく良バランスですよね。
同形状ながらかなりのイメージチェンジが可能ですし、そもそもが肉厚な造りですから破損しそうにないところも良いと思います。
吸ってみる
0.86Ω
おっと、さすがにドリップチップが短いだけあって、唇がトップキャップに触れますね。しばらく吸ってみましたがキャップ自体の熱保ちは僅かなのでアッチッチにはなりません。
ドローはザ・MTLと言った適切な重さで好感触。この変に重すぎないくらいの適度な抵抗感が堪りませんね。
風味生成は濃密感はあるけど濃さは適度な程度。もっとガッツリと濃いのを予想してたから肩透かし気味だけど、あんまり濃すぎるのもアレなので、丁度良いと言い切れます。このくらいが最も吸い続けられると思う。
エアホールの位置ですが、ポールへ直当てするような位置が最も濃く感じられました。
まとめ
ANTIQUITY RDA
〇 個性的なルックス
〇 中間的MTLを堪能可能
〇 少ないパーツ数なので洗浄がラク
△ エアホール位置を意識して被せないとならない
△ 少しだけビルドが手間かもしれない
△ ピン長が短いのでMODと相性問題あるかも
✕ AFC調整不可
完全なるMTL向けドリッパー
MTLが好きであれば手元におきたいRDAですね。ある意味ボクシーな造形は22mm径である事を忘れるくらい大きく存在感があります。とても独特であり最大の特徴でもあるタイトなチャンバーで生成されるミストは絶妙と言える濃密さで、吸気も排気もタイトに絞られた経路とのバランスはMTL好きを唸らせるだけの統一感を生んでいます。
半面、完全にAFC不可といった思い切った構造であり、コレで吸え!と言われた場合に私のようにバッチリハマる人であれば良いですが、もう少し軽めで吸いたい人にとってもはまったく合わない恐れがあります。
そのAFC面も含めて気に入りましたが、唯一気になった点としてチャンバー内での明確なチャネルが無い部分です。エアホール位置を明確に合わせたい人が大半だと思いますが、明らかにボトムエアフローじゃないとオカシクナイ?って造りなのです。実際のところはポールに合わせて吸っても風味は文句なしなわけですが、妙な部分で気になってしまいました。
しばらく吸ってキャップをめくって内部を見ても、変にリキッドが貯まってたりしないのは、とても優れたキャップ内部形状だと言えます。スムースにミストが抜けてます。
ドリップチップに関しては見ためのフィット感は置いたとしても、もう少し長いものを用いても良さそうです。どうにも唇がキャップに触れるのを避けられなくて気になってきます。ただ純正のドリップチップは出口径が広いので、細めのノズルならそのままドリップ出来て便利なんです。ちょっと悩ましいところかも。
深いウェルが思いのほか蓄えてくれるので、ドリッパーとしての使用でもまったく問題ありませんね。ボトムフィーダー必須かぁ、と思いきや無くても1.0Ωくらいで組むなら余裕です。
結論としては多少の気になる点はありますが、MTLに特化したドリッパーとしては秀作だと思います。
製品仕様
- タイプ|RDA
- 大きさ|22x24.8mm
- 重さ|約31g
- 材質|SUS/Derlin/Peek
- エアフロー|吸:サイド/吹:サイド
- ドリップチップ|510
- コンタクト|510
- カラーバリエーション|全1色
- 製造国|不明
- 価格|¥11,935-