
これスタック出来ちゃうんだけど...。
MECHLYFEのメカニカルチューブMOD「ARCLESS」は容量の大きい21700バッテリーで使用可能!オプションのスタックチューブでデュアルバッテリーで使用が可能!となるという...。高級感溢れる外観に各部は丁寧に仕上げられたクールなメカチューブ。
── 提供|Everzon ──
特徴
元CoilARTの人が立ち上げた中国深センのMECHLYFEとYoutuberであるAmbitionZ VaperRのコラボレーション製品であるARCLESS(アークレス)MECH MOD。
- バッテリーサイズ:21700/20700に加えアダプターにて18650が使用可能
- オプションのスタックチューブにてデュアルバッテリーで使用可能
- ハイブリッド接続
- カッパーにシルバーメッキの低損失コンタクト
なんといってもスタックでのデュアルバッテリー(でも使える)という、腕白な事が出来てしまうメカチューブ。そこはともかく21700バッテリーを使用出来るってのは素直に嬉しいところ。
それではパッケージから見ていきましょう!
パッケージ
黒く格好よさげなパッケージにAmbitionZ VaperRのコミカルなロゴ!このコントラストよ!
これは良くも悪くもだなぁ...。ロゴが無ければクールだよね。
そうそう、小さいほうの箱は併せて提供頂いたスタック用チューブとなります。
それじゃ開けますよ。
なかなかの高級感を醸し出しております。このスリーブはかなりのインパクトだ。
内容物
■ 内容物一覧
- ARCLESS MECH MOD
- extra Button
- extra Pin
- 18650 Adapter(In the tube)
- Spare|Spring x2/O-ring x2
- ー
- Stacked Tube
- 18650 Adapter
製品仕様
■ スペック
- タイプ|メカニカルMOD
- 大きさ|Φ27x91mm
- 重さ|140.5g
- 材質|Blass/他
- 使用バッテリー|21700/20700/18650
- コンタクト|510(ハイブリッド接続)
- カラーバリエーション|全1色(他にResin版4色)
- 製造国|中国
- 公式サイト|MECHLYFEfa-external-link-square
製品詳細
コンタクトは510で接続はバッテリーとアトマイザーが直に接するハイブリッド接続となります。
チューブ外径としては27mmとなっています。世の中にある様々なメカニカルチューブを見ていても、18mm径バッテリー(18650とかね)を用いるものでも外径は太かったりします。なので27mmってのは特別太い部類ではないですね。
オーバーハング(ハミ出し)せずに乗せられるアトマイザーは25mmまでとなっています。トップのフラット部分が25mm径だからですね。
画像で乗せているRebirth RDAは24mm径ですので僅かにフラット部分が見えています。
パフボタンたるスイッチ部は中央がやや凹んでいて、周囲にはベントホール(ガス抜き)があります。
チューブの大部分を占めるスリーブは全面ローレット加工されており、ザラザラとした触感。
黒い塗装が光を受けると細かく凹凸が浮き出て、ちょっと価格を超えた上質感があると言えますね。
スイッチパーツを取り外してみます。スルスルと気持ちの良い滑らかさ。ベタな言い回しだが、個人的にこれまで触れてきたものの中では一番滑らかです。よくある金属同士が擦れるシャリシャリ感がまったく無いんですよ。
スイッチを取り外せばスリーブも取り外せます。スリーブはOリングにて保持されており、Oリングはスペアも付属しています。
普段は外す必要のないスリーブですが、新しくレジンバージョンも販売されていますので、付け替えて楽しめるかもしれません。
ハイブリッド接続なので内部が見える穴がある状態。
スレッドはカッパーとなっていますが、ARCLESSは全体がブラス(真鍮/黄銅)です。黒い部分はマットな塗装となっています。スレッドのように摺動する部分は塗装が剥げちゃうから元々未塗装としているという事ですね。
内部は真っ黒なインシュレーター(絶縁材)で覆われています。なんか光ってるのはコンタクト側から入った光の反射です。
万が一被覆にダメージのあるバッテリーを挿入していた場合のリスク低減なわけですが、使用前に必ずバッテリーに異常なき事を確認して下さい。これはシャレにならないので絶対に確認して下さいね。
スイッチパーツを見ていきます。バッテリーの負極と接するコンタクト部分はカッパーにシルバーメッキとなっており、公式によると電圧損失が0.43Vとの事だ。というか通常どの程度の低下が一般的なんて知らんわけだけど、わざわざアピールするくらいだからもっと落ちるもんなのかな。
このパーツのみで44gありますからそこそこの重さ。少しだけボタンが突出しています。
パフボタンのストロークは2.6mm。反発力は軽めと言えるかと。個人的には深くて軽めなヤツが好みなので、かなりいい感じ。
シルバーメッキのコンタクトはバッテリー長に対して沈み込むアジャスタブル構造となっています。
アジャストの仕組みはスプリング。
内部もシルバーメッキされたピン。パフボタンを押し込むことによりこのピンがバッテリー負極と接するコンタクトに内部で接して通電する構造となっています。
コンタクトピンを抜けば分解可能です。
スイッチの構造自体は特別なものではありません。アジャスト出来るパフスイッチとしては1つの完成形となっております。大まかに言えば材質の違いとかで差別化されているようなものです。
同梱のアクリル製ボタンを装着するとこのような軽やかさも生まれ、良きワンアクセントとなりますね。
ハイブリッド接続
ARCLESSはアトマイザーとのコンタクトが「ハイブリッド接続」となります。今となっては販売されているメカニカルチューブMODの多くがこの接続方式を採っている為、もはやお馴染みと言えるかもしれませんね。
テクニカルMODでは一般的となっている510コンタクト部分、バッテリーとアトマイザーを「物理的」にも「電気的」にも繋げる部位ですが、ハイブリッド接続では「物理的」接続のみとして存在しております。電気的にはアトマイザーのポジティブピン(正極)とバッテリー(正極)が直に接するという構造ということです。
- チューブ全長を短く造る事が可能となる
- パーツ数が少なく済む(ハイブリッド接続用プレートが別体の製品もあるにはある)
- 中継するパーツが減る事により通電損失が減る
このように利点の多いハイブリッド接続ではありますが、乗せるアトマイザー側のコンタクト部分には注意が必要です。まずは仕組みを理解していきましょう。
- 繋げるのはアトマイザーとバッテリーの正極同士
このアトマイザーの場合は金メッキで金色となっているコンタクトピンが正極(+)ですね。この正極であるピンのみがバッテリーの正極と接するというのが絶対条件です。このピン自体とピンと繋がっているデッキ内部のパーツは絶縁材により、アトマイザーの他の部分から独立した極性、正極となっています。
パフボタンを押す事により、バッテリーからの電流はこの正極からコイルという抵抗を持った中継部分を経て負極側ポスト及びデッキから510スレッドを通りチューブを自体を伝わりバッテリーの負極へ帰着するという流れとなります。
この抵抗を持った部分を通らずに正極から負極へと繋がる事をショート(短絡)と言います。抵抗が無い為にバッテリーの限界を超えた放電量(限界の数百倍とも言われる)となり、大変危険です。
よくある事例としては、コンタクトピンが引っ込んでおり負極である510スレッド部分がバッテリーと触れてしまい、(それに気付かず)パフボタンを押すというシチュエーション。数多くの情報発信者が注意喚起してきた事例です。そういった事もあってアトマイザーのレビューではコンタクトピンの出代が一定量あるかどうかを確認している次第です。
- チューブ内部は綺麗にしておきましょう
- アトマイザーのコンタクトピンは一番引っ込めた状態にしておく
- 正常なビルドをしておきましょう
チューブ内部に通電性のある金属片などがあると短絡したり、バッテリーの被覆やコンタクト部分を傷める恐れがあります。使用前にブロワー掛けなりしておくと良いでしょう。
コンタクトピンは万が一使用中に出代が縮むと前述の短絡に繋がる恐れが出てきます。事前に最も縮めた状態にしておきましょう。縮めた状態で出代が無いようなアトマイザーは廃棄を検討しましょう。様々なMODが存在する現状、そのようなアトマイザーの使用は極めて限定的になりますから。
ハイブリッド接続でなくともビルドは常にキッチリと確実に。特に短絡検知といった保護機能を搭載しないメカニカルMODでは低抵抗過ぎたり、ポストの締め込みが甘いなんてのは厳禁。デュアルコイル対応のアトマイザーをシングルで使う場合、念の為に使っていないポストのイモネジ類も締め込んでおきましょう。
ハイブリッド接続でもコンタクトパーツが別体のものなら、アトマイザー装着後のピンの突出具合を確認しやすいのですが、今回のARCLESSをはじめ多くは一体構造となっています。バッテリー装着側しか分離しない構造です。そのため画像のように内部を覗いた時にチューブ内部天井よりピンが手前に出ているかが分かりづらいですね。これではチューブのトップパーツが510スレッドより(無駄に)厚く造られていると、ピンが手前に来ずにバッテリー正極がチューブ内部天井に接して短絡してしまいます。昨今のハイブリッド接続メカニカルMODでそのような設計されたものは無いとは思うのですが、念の為ノギスを使うなりして寸法確認しておくと良いかと思います。参考記事。
同様の理由でアトマイザーを装着してからバッテリー挿入。この順番を守って下さい。じゃないと万が一パフボタンを押してしまったら短絡してしまう、という原理がここまでの説明でわかってもらえたと思います。
- コンタクトピンが突出し過ぎている場合
コンタクトピンの出代が少ないと短絡の恐れがあるのは説明しましたが、逆に突出し過ぎている場合も気にして下さい。内部に出っ張り過ぎているという事はバッテリー装着しパフスイッチを装着する際に押し込まれてバッテリートップに強い圧が掛かり変形してしまう恐れがあります。今回のARCLESSのようにアジャスト機構を備えている場合はそれなりに柔軟性がありますけど...。例えばテクニカルMODなら大概スプリング式なので、その範囲内で突出を吸収してくれます。その範囲外の場合はアトマイザーが降りきらないでしょう。それはコンタクトパーツがしっかりとした造りだからです。脆い造りのMODならコンタクト部分が破損しますから無理に装着せず、ピンが出すぎているアトマイザーの使用は控えましょう。同様にバッテリーの正極部分の造りを過信せずに余裕で変形してしまうと思っておきましょう。
ARCLESSで使用可能なバッテリーは21700、20700、そしてアダプターを被せて18650となっています。これらどの種類でも良いですが、とにかく外観に異常が無い事を確認してから使用しましょう。
という事で、まずしっかりとビルドされたアトマイザーを先に装着。そしてバッテリーはアトマイザー側に正極を向けて挿入。最後にスイッチパーツを装着しましょう。
使用感
27mm径だから握りやすくて、ローレットされたザラザラ感があるからウッカリ落とす事もないだろう。
パフボタンのストロークの深さとスプリングの応力が心地いい。気持ちよくパフ出来る。
こういったスイッチのフィーリングに関しては人それぞれ好みがあるでしょう。もっと浅いストロークや固い押し心地を好む人もいるだろうし。業界的にどのくらいがスタンダードとも言いにくいけど、ARCLESSはVGODのElite/Proよりは深くて軽い。
サイズ感
サイズ感としては18650バッテリー機よりは少しだけ全長があるくらいですね。
VGODのようにトップをスパッとフラットに切ってあるほうが、同径アトマイザーを乗せた際にフィッティング良いと思うけど...どうだろう?次で見ていこう。
アトマイザーを乗せてみる
全て24mm径のアトマイザーを乗せてますが悪くない収まりだと思う。
22mm径の場合は丈のあるほうが似合うかな。25mm径のタンクでも良いフィッティングです。
スタックチューブ
オプションのスタック用チューブを接続する事によりデュアルバッテリー(直列)での使用が可能となります。
スタックチューブもメインのチューブとまったく同じ質感です。
単純にバッテリーキャップを外してスレッドで接続。
連結状態で全長は164mmにもなります。もはや棒。バトン。
考えてみ?この長さでスイッチは当然ながら最下部。咥えるドリップチップまでの距離ったらねぇ。
デュアルバッテリーですから同じバッテリーが2本必要です。そしてフラットトップバッテリー(21700だとフラットしか無いのかな?)ですから「接点」となる中継パーツが同梱されているので、2本バッテリーの間に入れてやります。
これはテクニカルMODの場合でも気にしなければならない点です。出回っているほとんどのデュアルバッテリーMODは直列接続です。そして、保護機能搭載と謳っているテクニカルMODでも2本のバッテリーの電圧差をどこまで監視しているのか?ってのは実に不透明なところなのです。
何故に電圧差を気にしなければならないかっていうのは、ちょっと下手な例えするけど...。
どこまで電圧を監視し、どういった保護機能が搭載されているのか、その辺りに絶対的な信頼を置けない事から、リスク低減の意味も込めて同一状態に近しいペアのバッテリーを使うべしと言っているわけです。
メカニカルMODでは抵抗値にてバッテリーの負荷が変化します。コイルが低抵抗であるほどバッテリーへの要求(放電量)が高まるわけです。レギュレーテッドのように可変電圧で昇圧は出来ないですが、そもそも大きな放電量かつ両方のバッテリーの電圧差があるとどうなるか?はわかってもらえたと思います。
スタック(直列接続)の場合で、2本の電圧に差があってさらに低抵抗で組まれている...そんな状態だと超怖いですねー。そもそもテクニカルMODだったら”あるかもしれない”保護機能なんてメカニカルMODには一切ないのですから。
結局のところ、スタック(直列接続)した電圧が必要なのかどうか?ってとこを考えたい。
少なくとも私の日頃組むような抵抗値(0.8Ω近辺)であればシングルバッテリーで十分だったりします。
デュアルコイルでエアホールの大きいドリッパーなどは、余裕を持った立ち上がりを得る為にデュアルバッテリーMODで使ったりしますが、なるだけ抵抗値を上げる方向でビルドします。それはミスト量よりも安全性を優先しているからに他なりません。
まとめ
MECHLYFE|ARCLESS
8/10
■ ARCLESS のココがイケてる
- 優れた質感
- スレッドの滑らかさ
- 21700バッテリー使用可
21700シングルで使うなら非常に優れた仕上がりのメカニカルチューブMOD。
200パフほどしましたがスイッチのカチャ付きも当然無いですし。外観は見たとおりで期待を裏切らないと思いますよ。
高くは無いけど安くもない価格から鑑みて、真っ当な製品であると言えます。しいて言えばスイッチにロック機構があっても良かったかもしれないね。
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