
実質的にOrionのポッドMOD版。
ポッドデバイスの1つのカタチを形成し多くのフォロワーを誕生させたOrionシリーズ。競合他社がポッドMODを相次いでリリースしているなか、Orionの冠は外れましたが実質的に後継といえる出で立ちのデバイスが登場しました。
パッケージ
気づけばLost Vapeの製品展開が2本柱となっていました。高性能チップDNAを搭載したシリーズ「DNA」と、非搭載のシリーズである「Quest」。
これはポッドデバイスに限らず、テクニカルMODにしてもどちらかに属することとなっています。
そして今回レビューするQ-Ultraはそのイニシャル通り「Quest」シリーズのポッドMODという事となります。という事は「DNA」シリーズ版がリリースされるのでは?という予想が立ちますね。
ところで、このパッケージ右下にRBAと記載されているんです。しかし、書いてあるのに同梱はされていません。なんじゃそりゃ。RBAユニットも別途リリースしているってのをアピールしたいのだろうけど紛らわしい。
ちなみに中身の本体カラーはパッケージ通りNebura Purpleとなっています。全部で6種類の柄があるのですが、全てそれぞれのパッケージを用意しているという事でしょうね。
内容物
- Q-UItra(Ultra Boost M2 Coil 0.6Ω装着済)
- Ultra Boost MTL Coil 1.0Ω
- 充電用ケーブル(タイプA:タイプC)
- ストラップ
- ユーザーマニュアル
- バンドル:Ultra Boost M1 Coil 0.3Ω
- バンドル:Ultra Boost M2 Coil 0.6Ω
製品詳細
アウトライン
見た感じの印象はOrionですよね。まぁ、アレ完成されてるから。
サイズはW43.2 x D16.5 x H105mm(カートリッジ装着時)、重さは90gとなっています。ここでちょっと気になった事がありましたが...後述。


Orion DNAと比べると明らかに大型化しています。この大型化の理由はポッドMODであるからスクリーン搭載した為です。
しかし重量はほぼ変わらず...なのです。
実はこの部分が前述した気になったところなのだ。Orionシリーズはその小振りながらズシッと詰まってる塊感がいかにも金属質で好きだった。
Q-Ultraはなんというかハリボテ感があるというか...。見ためから想像する重さが実際には無くて嫌な軽さがあるのみです。
なんで?軽いほうがいいでしょ?って言われそうだし、そもそもパーツ増えて大きくなってるのに重量据え置きってのは実質軽量化してるって事なのは分かってる。
口元に運ぶ動作を繰り返すわけだし軽いほうがラクだ。なんだけどハッキリ言って安っぽくなった感覚を受けちゃったんですよね。
近頃新型IPhoneが発売されましたが上位機は重いです。アレに関しては軽いほうが個人的には好みなのですが、やはり重いモデルが上位機なわけ。Orionの上位版とも言えるポッドMODなのに、ってハナシですね。
特にVAPEにおいて最も気楽に使えるCaliburn系のポッドデバイスと、肉厚な金属の筒であるメカニカルMOD、明らかに後者の重量感ってのは男心をくすぐってくれるわけです。Orionシリーズはポッドデバイスでありながらメカニカルのような重厚感が堪らない要素だったのですが...。
さらに言えば外観上の個性の要とも言えるパネルのテクスチャ。これがまた安っぽい。
妙に筐体との隙間が目立つ部分があるうえに光沢有り過ぎで質感に定評のあるLost Vapeらしくない仕上がり。特に光沢に関しては保護フィルムが貼ってあるのか?と思って必死に剥がそうとしたが貼って無いようだ。使用していて柄にダメージがいかないようにラミネート処理してるのだろうけど、質感としては凡庸なものとなってしまった。
別の柄はまた違う質感なのかもしれないですけど。
文句言い過ぎたんで違う事も書いておくと、外観には1つもネジがありません。全て嵌合での組み立てとなっています。軽量に作れた正体がココにあります。メインフレームの材質がSUSからアルミニウム合金に変更された事と樹脂部分が増えた事により嵌め合いで組み上げ、ネジも不要となった事により軽くなったというわけです。
ディテール
以降は各部位を見ていきましょう。
カートリッジ部分はOrionと構造的には同じ。唯一ドリップチップとフィルポートの距離が少しだけ離れました。これでリキッド補充時にボトルがドリップチップに干渉するのがちょっとだけマシになったかな。まぁ結局当たるもんは当たるんだけど。


Orionから変わらずエアフローコントロールが可能で、フィルポートキャップもまったく同じモノとなっています。これって回しやすい形状とか考案しないのかね。
変化が見られるのはこちらの面。順番に各パーツを見ていこう。
カートリッジのロック/アンロック・スイッチ。こちらは凹凸が顕著になった事により指が引っ掛かりやすくスライドがラクになりました。ココは流用しなかったんだからフォルポートキャップも変更して欲しかったところです。
パフボタンもラウンドからスクエアに変更されています。位置もスクリーンが追加された事により上部へと少し移動しています。デバイス自体を持った状態で押しやすくなったと言えるでしょう。
スクリーン。サイズは0.69インチ。表示内容はベーシックな情報となっていますが、パフカウンター(画像の000)のところを電圧表示に切り替えれたらいいのにな、と思う。
スクリーン下部にワッテージ変更等で使用するサブボタン。その下が充電用ポートとなっています。
この充電用ポートがタイプCとなったのは明らかに進化した部分と言えるでしょう。バッテリー容量は1,600mAhで充電時間は最長で約70分となっています。
ちなみにバッテリーはリチウムポリマーです。これはOrionシリーズも同様です。
実際の給電を計測すると5V/0.7Aで行われていました。Orionより少し抑え気味かもしれません。
さて、大きく変わった点がもう1つ。スクリーンの反対面が大きく変わっています。
内部にパンチングメタルが組付けられています。こちらはベントホールとなっています。
fa-pencilベントホールについて
バッテリーが限界を超えた放電要求により過負荷状態が続くとガスを吹きます。そのガスでMOD内が満たされると破裂して破壊される可能性があります。それをMOD外に効率よくガス抜きする為に空けられているのが通称「ベントホール」という排出口です。
パンチングメタルの奥に何か遮蔽物があるようにも見えますが、よくわかりません。
底面はシンプルで「WP」と刻印されているのみです。
続いてはカートリッジとコイルヘッドを見ていきましょう。
ロックスイッチをアンロックしてカートリッジを取り外します。
本体側装着部はOrionにあった組付けネジが廃されシンプル且つ、ややチープ感のある作りとなっています。
初期装着されていたコイルヘッドは「Ultra Boost M2 Coil 0.6Ω」です。
メッシュコイルですが抵抗値は0.6Ωと程よいところ。ただしコットンに接していない部分が広いように見える。
今回のレビュー品は通常に加え低抵抗な「Ultra Boost M1 Coil 0.3Ω」と初期装着と同じ「Ultra Boost M2 Coil 0.6Ω」がもう1つの計2個がバンドルされています。
通常は「Ultra Boost M2 Coil 0.6Ω」と「Ultra Boost MTL Coil 1.0Ω」の2個のみ同梱です。
Q-Ultraはコイルヘッド交換式となっており、カートリッジ一体型よりランニングコストが有利です。
しかしながらOrion DNAシリーズのレビューで使用したコイルヘッド交換式の印象は良くありませんでした。
あのような貧弱なコイルヘッドではありませんが、これは実際に使ってみないとわかりませんね。
カートリッジへの装着には向きが決まっています。というか決まった向きでしか装着出来ないので間違ってしまう事はありません。
操作方法と保護機能
操作方法
■電源のオン/オフ:
パフボタンを5回すばやく押す。
■ワッテージ変更:
サブボタン+/-にて調整
■ワッテージロック:
パフボタンと+ボタンを長押し
■パフカウンターのリセット:
パフボタンとーボタンを長押し
保護機能
■加熱保護:
デバイス温度が75℃を超える場合にスクリーンに「Too Hot」と表示され動作停止します
■チェックアトマイザー:
カートリッジ未装着の場合はスクリーンに「Check Atomizer」と表示され動作しません。
■短絡保護:
抵抗値が0.1Ω以下の場合はスクリーンに「Short circuit」と表示され動作しません。
■10秒カットオフ:
10秒以上連続パフした場合スクリーンに「Over 10s」と表示され動作を停止します。
吸ってみる
それでは初期装着されていた「Ultra Boost M2 Coil 0.6Ω」にて吸ってみます。
最初はコットンの保持量に対してリキッド過多となりミスト化されない状態、所謂「じゅるり」が発生しました。
落ち着いてくると風味生成のほどがわかってきました。
これは明らかにOrion DNAシリーズのコイルヘッドより良い風味です。しかしカートリッジ一体型よりは落ちます。濃さも劣りますが風味のバランスが、なにかリキッドの芯のような部分が弱くなっている感があります。
とはいえ決して勧められなかったOrion DNAシリーズのコイルヘッドと比べれば断然良い風味となっています。このくらい出てくれれば、まぁ及第点と言えるでしょう。
まとめ
外観上の文句をアレコレと書きましたが、多くの方にとって気にする部分じゃないかもしれません。カタチとしてのまとまりはありますし。
Questシリーズという事で機能面はシンプルですが、さして不足があるわけでもありません。
コイルヘッドもOrion DNA版よりパワーアップしており、まともに使える水準に達しています。さらに別売ですがRBAユニットもリリースされています。そこも重要なとことでしょう。入手済みなので今後使ってみます。
ポッドMODとして使用するうえでの欠点はありませんが、競合製品と比べて特に秀でている部分も認められません。
Lost Vapeと言えばガワの作りに期待出来るメーカーで、本来そこにアドバンテージを持っていた筈です。チープに感じる「軽さ」は使用感に係るから目を瞑るとしても、パネルの出来についてはちょっと期待外れ感があります。
製品仕様
タイプ | ポッドMOD |
大きさ | W43.2 x D16.5 x H105mm |
重さ | 90g |
材質 | アルミ合金/PCTG |
バッテリー | 内蔵1,600mAh |
出力 | 5-40W |
対応抵抗値 | 0.15-3.0Ω |
AFC | 可 |
リキッド保持量 | 4mL |
対応コイルヘッド | Ultra Boost Coil |
カラーバリエーション | 全6パターン |
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