
KIZOKU版Luxemだよね。
ブランドのバックグラウンドが伏せられて(?)いるのか知らんけど、馴染みのKIZOKUながら情報が無いというヘンテコリンな子嫌だわアハン。てなわけで18350/18650コンパチ仕様のセミメカニカルMOD。なんとなく2019年の18350メカニカルチューブMODブームを端に発して企画されたけど登場がブーム後という感のある製品ですな。
── 提供|ベプログショップ ──
パッケージ
グローバル展開のKIZOKUからコンパクトな18350バッテリー仕様を基本とする基板内蔵メカニカルMODです。
KylinじゃなくKirin。公式とか見ても特にネーミングについて言及されてないんで、このメカニカルMODについてどういったモチーフを取り入れたとか背景的な事はまったく不明だ。いや、一応麒麟らしいけどね。どのあたりが?っていうのはヤボか。
綺麗に収められておりますね。なぁんとバッテリー同梱!これは嬉しい驚きでした。
まぁ18350バッテリーは10本以上手元にあるんだけど、新しい銘柄ってのは素直に嬉しいもんです。ただし、この同梱については注意点もあるので後で書いておきますね。
内容物
- 1x KIRIN Tube MOD
- 1x Tank(1.2Ω)
- 1x Tank(0.5Ω)
- 1x 18650用エクステンションチューブ
- 1x 18350バッテリー
- 1x ユーザーマニュアル
- 1x ワランティカード
ユーザーマニュアルには日本語での記述もされています。基本的には単純な構造で簡単に使えるのですが、電圧の高いバッテリーを用いる事もありますから、一定の知識を持ったうえでの使用を推奨します。
VAPEを始めるに当たり本キットを購入される人がどれだけいるだろうか?それは知らないが凄く重要な事を伝えねばなりません。
本キットには18350バッテリーが同梱されています。それは素晴らしいのですが、KIRIN本体に充電機能はありません。充電器も付属していません。
要するにバッテリー充電器をお持ちでないなら別途用意する必要があります。
製品詳細
KIRIN の外観
基本18350サイズという事で小振りですね。サイズは直径24mm、高さは51mmとなっています。
冒頭にも書きましたがLuxem同様のサイドスイッチ(パフ)を採用しています。中頃の「くびれ」やサイドスイッチの感じからどうしてもLuxemを意識しているように感じますよね。
Luxemより少し大きい。さてどちらが好みでしょうか?
直径24mmというのは最も太い部分であって、実際にアトマイザーが乗る部分の直径は約23mmとなっていますので注意が必要ですね。
んで、コンタクト部分は内部の基板から直に生えている接点プレートが見えています。構造上仕方ない部分ではありますが、異様に隙間が多い造りとなっていて、大抵やらかすリキッド漏れが発生したなら基板に付着するのは必至かと思いますね。
底はバッテリー脱着の為に取り外せる構造となっています。中央の金メッキ部分はバッテリー長に対してのアジャスターの役目をもっており、KIRINの左右の穴はベントホールです。
ベントホールとは
バッテリーが限界を超えた放電要求により過負荷状態が続くとガスを吹きます。そのガスでMOD内が満たされると破裂して破壊される可能性があります。それをMOD外に効率よくガス抜きする為に空けられているのが通称「ベントホール」という排出口です。
パフスイッチと反対面にはKIZOKUロゴが彫られています。
側面辺り2箇所ある3本のスリットは内部に絶縁材が貼られているので貫通していません。
KIRINのLuxemに勝る特徴と言えるかもしれません。電源オン時やアトマイザー装着時にLEDが点滅するのですが、その光がここから漏れる演出がなされます。のちほど操作説明はしますが、この手のメカニカルMODは電源オン/オフという概念自体が無かったり、セミメカニカルMODでオン/オフ切り替えがある場合でも今「オン」になった明示される事がなく、使用上の不安がありました。このようにLEDが組み込まれている事により視覚的に分かるのは大変ありがたいところです。
という事で内部を見ると乳白色の絶縁材が貼られているというわけです。万が一ですが、用いたバッテリーの被覆にダメージがあった場合にチューブ内部との短絡を抑制するちょっとした保険にはなります。しかしバッテリーに関しては装着前に必ず異常が無い事を確認しましょう。被覆に破れがあったらリラップするか別のバッテリーを用いましょうね。
キャップ内部側も金メッキされており、バッテリーの負極(マイナス)と接する事が明示されています。
前述通りバッテリー銘柄毎の全長差を吸収してくれるアジャスト構造となっています。最初は緩めておきバッテリーを挿入後にチューブ内でバッテリーが遊ばないように締めこんでやる必要があります。
基板について
中身の基板を見てみたいのでアトマイザー接続側のパーツを取り外してみます。
アトマイザーのコンタクトピンと接するプレート、とそれを支持するシリコン材というお馴染みの構造。
シルク印刷で「Kirin_V1.3B」とありますが基板のバージョンでしょうかね?
先に述べた通り万が一リキッドが漏れた場合にこちら面に付着する事となります。スルーホールが空いているとはいえ、よほどベチャベチャにならない限り短絡する可能性は低そうです。
反対面は実装部品がある事から過度なリキッド付着はNGとなりますね。反対面から回り込んだらのハナシですが。実質リキッドの通電性ってのはとても低いのですが微弱電流とはいえどこからしらで短絡した場合に機能不全を起こす可能性はあります。以前やらかしました。基本リキッドは漏らさないよう注意する事です。
基板としては剛性を兼ねた厚みのある両面基板ですね。半田は雑さが目立ちますし一部コンデンサに傾きがあったります。シルクの抜きも設けてあるのやら...。
ちなみに左右端にあるのがLEDで、2箇所あるのでチューブの両側スリットから均等に光るようにしてあるというわけです。
スイッチパーツの固定はEVA樹脂だろうか?何故にこの色を選択したって感じですけど。んでこのスイッチパーツの嵩の関係で中央の接点パーツがやけに長いって感じですね。
恐らくこの手の元祖であるColibriのほうが基板の組み込み含めた設計が洗練されていますね。とにかく小さく造るという意味においては。
別にどちらが優れた結果をもたらすとも言い難いのですが、KIRINは3.5Vの定電圧出力です。それはいいのですが、電圧下限カット機能を有しているのだろうか?公式やマニュアルにも記載が無いので不安である。電圧ドロップを人力検知するしかないだろうなぁ。
ちなみにレビューという事でパーツを取り外してみたわけですが、この分解がめっちゃくちゃ硬かったんですよね。なので意味なく外さなくて良いと思います。それこそリキッドが大量に漏れた場合とか、明らかに基板の故障が疑われる場合は外さなければならないわけですが...。
そもそも交換用の基板って販売してるんですかね?・・・調べたけど現状は海外含めて見当たりませんね。
個人的な見解ですが、VAPE製品でまず故障するのはMODです。いわゆる基板搭載したテクニカルMOD。KIRINも基板搭載しているので含まれますね。私はこれまでに5台故障を経験しましたが、いづれも基板起因です。過去にも書いた気がするけど、どれだけ高級な外装を纏ったって基板が故障したら文鎮ですからね。エンジン故障してるアヴェンタドールなんてタダでもいらんから。
要するに故障するのはまず基板なんですよね。メーカーにより様々な基板があるので難しいところですが、セルフリペア出来るような構造とか規格化して欲しいところだわ。っていうかその前に基板単体で購入出来るようにして下さい。特にKIRINみたいなハーネスもなく基板単体ポン付けすればいい製品なんて単体販売あってなんぼでしょう!
もう一度言っとく、基板の単品販売して下さい!!
バッテリーハウジング部とは薄いプレートで遮蔽されていて、ピンだけがバッテリーサイドへ突出する構造とされています。
18650バッテリーでも使用可能
忘れかけていたが重要なパーツが同梱されていたんだった。冒頭から書いているLuxemっぽいという要素として、18350/18650バッテリー両対応という点。
エクステンションチューブを組み合わせれば最も普及している18650バッテリーでも使えるというわけ。
主観ではあるが18650バッテリーで使えるという、それ以上のものではない。結局のところアクセントとなりえるスイッチやスリットが元のチューブにしか存在しないので、どうしても単なる継ぎ足しにしか見えずに不自然感が生まれてしまう。これはLuxemでも同様だった。
とはいえ18650バッテリーで使えるというのも便利なものなので、そこは使い分けしていこう。
使い方について

使用方法
電源オン/オフ:パフボタンを5回押す。
使い方もなにも、電源オン/オフくらいしか操作らしいものがない。あとは吸うときにパフボタンを押すくらい。
ちなみに保護機能としては低抵抗(0.25Ω以下)と高抵抗(3.0Ω以上)での通電カットを搭載しているようです。
キットのアトマイザー
これは面白い構造のアトマイザー。分類としてはクリアロマイザーになります。上半分が半透明な樹脂パーツになっており、
下部にあるエアフローコントロールリングを回転させる事によりドロー(吸い心地)に変化を付けられます。画像の小径と全体を開放出来るオーバルがあります。オーバルのみ裏にも空いてるので2箇所あります。実際AFCリングを回転させる際にはKIRINのロゴが印字されたリングを回して行います。
バラすとこのような構成となっているわけです。ベースパーツとタンクパーツが面白い。タンクパーツにもコンタクトピンがあり、ベースパーツのコンタクトピンと連結する構造。実際のところベースパーツはタンクパーツの「受け」みたいなモノ。
タンクパーツのコンタクトピンはコイルリードで繋がった状態。こんなの初めて見たかも。
リキッドの補充はタンクの底にあるシリコンカバーをめくって行います。
ちなみに同梱されたタンクは2種類あって、内部コイルの抵抗値がそれぞれ1.2Ωと0.5Ωとのこと。しかし、これって外観での区別付かない気が...。
お約束ですが、初回使用時はコットンにリキッドが浸透するまで10分程度は放置しましょう。
アトマイザーとの組み合わせ
やっぱ18350状態がええよなぁ。シンプルめな22mm径のアトマイザーが似合うのじゃあないでしょうか。
吸ってみる
1.2Ω
まず、かなり風味は薄いですね。
おいっどうした!?ってくらい出ませんね。味の出ない小型ポッドデバイスより少しだけ出るくらい。
0.5Ω
濃さはそれなりだけど、どうにもドライになりますねコレ。KIRINは3.5V固定なのでどうにもドライを回避出来ないです。かなりイケてないな。個体差ですかね?
3秒パフしてミスト吐いてすぐにもう一度パフした段階でドライです。
これってリキッドのVG率うんぬんかんぬん関係ないですね。そんなの限定した造りの時点でアウトだし。ちょっとテストしたら分かるくらい粗悪な感じ...。個体差だったとしても品質管理...。
ドロー
もう風味生成的に質が低い時点でどうにもって感じなんですけど...。一応ドローのレンジとしてはDL(ダイレクト・ラング=直肺吸い)からガッツリ重いMTL(マウス・トゥ・ラング=タバコ吸い)までと広いです。しかしこのレンジを活かせない風味生成。
まとめ
KIRIN
〇 小型な18350バッテリー仕様
〇 18650バッテリーでも使用可能
〇 サイドスイッチによりテクニカルMOD慣れしている人も使いやすい
〇 LEDにて電源オンやアトマイザー装着を通知してくれる
△ 基板単体販売が無い(今のところ)
✕ アトマイザーは極めて質が悪い
小型チューブMODの選択肢としてはアリ
冒頭にも書いたが、2019年に突然起こった18350チューブMODブーム、それを受けて企画始動したのだろうか?だとするならブームが終焉した2020年にリリースされるのはいささか出遅れた感がある。私みたいによほどの好きモノじゃない限り既に何らかのMODを手にしているんじゃないだろうか。
もしこれから小型チューブMODを入手したいと考えるなら選択肢に入れてもいいかもしれません。LEDいいよね。
ただし、先に述べた通り故障した際の予備の基板が手に入るようになってからって感じかな。だって競合機は大抵入手可能だよね?
実際しばらく運用していて使用感はとても良いです。小型な構成での運用前提であれば抵抗値を1.0Ω近辺に設定して扱いやすいです。
最初はキットを購入するのもいいけど、別でアトマイザーは準備しましょう。それと充電器の購入も忘れずに!
製品仕様
- タイプ|メカニカル
- 大きさ|24x51mm
- 重さ|約50g
- 材質|SUS304
- バッテリー|18350/18650
- 電圧|3.5V
- 抵抗値範囲|0.25-3.0Ω
- リキッド保持量|2mL
- 対応コイル|ー
- カラーバリエーション|全3色
- 製造国|中国
- 価格|¥4,980~
- 公式サイト|KIZOKUfa-external-link