
なんだかんだ結果的に低性能が良い結果へと結びついた。
今回レビューするベプログオリジナル「プルームテック対応マルチドリップチップxコンパクト14 スターターキット」(長げぇ...)は小型MODにドリップチップとリキッドをセットにしたスターターキット。
大人気だった「プルームテック対応 スターターキット」の強化版と言える内容で、ベイパーだけじゃなくプルームテックユーザーも注目必至なのだ!
── 提供|ベプログショップ ──
ざっくりとした目次
特徴
今回レビューするのはJustfog社のCompact 14に、ベプログオリジナルのマルチドリップチップ、それにプルリキ1本がセットとなったスターターキットです。
- Compact 14 Kit
- マルチドリップチップ
- プルリキ1本(全8種から1本選択)
小型なCompact 14にプルームテックのたばこカプセルを使用出来るドリップチップ(吸い口)、風味付けとしてのリキッドが1本セットになったキット品で、以下の方をターゲットとしている商品かと思います。
- 普段吸ってるプルームテックの味に変化が欲しい
- プルテク派だがVAPEを始めてみたい
- ベイパーだがニコチン液の入手がメンドイ
私はベイパーですからプルームテックを持っていません。なので今回初めてたばこカプセルを買って使ってみましたよ。
それではまずCompact 14から見ていきましょう!
パッケージ
Compact 14バッテリーにクリアロマイザーがセットになったキット品ですね。
Justfogって言えばベイパーからすればお馴染みのメーカーですね。なのでメーカーうんぬんは割愛して中身を取り出して見ていきましょう。
内容物
■ 内容物一覧
- Compact 14(Battery+Clearomizer)
- USB Cable
- Coil Cylinder(1.6Ω)
- User Manual
ベイパーなら慣れっこですが、こういった海外製品には日本語マニュアルは付属しない事が多いです。Compact 14も例外ではないのです。しかしソコは国内のショップであるベプログがキットとして販売するだけあって、完全な日本語マニュアルが付属しています。これなら安心。
製品仕様
■ 仕様(Battery / Clearomizer)
- タイプ|テクニカルMOD / クリアロマイザー
- 大きさ|37x21x67mm / Φ14x71.6mm
- 重さ|78g / 26g
- 材質|Zinc Alloy / Pyrex Glass / SUS
- リキッド保持量|1.8mL
- バッテリー|内蔵1.500mAh
- 出力範囲|ー
- 電圧|3.5V(定電圧)
- 対応抵抗値|1.6Ω / 1.2Ω(専用コイル)
- モード|ー
- 温度管理範囲|ー
- コンタクト|ego/510
- チップセット|ー
- ファームウェアアップデート|不可
- カラーバリエーション|全5色
- 製造国|中国
- 公式サイト|Justfogfa-external-link-square
製品詳細
全5色のバリエーションの中、ベプログショップがキットとしているのはブラック・シルバーの2色。
今回レビューとして使用しているのはシルバーになります。シルバーとは言っているけど、微妙にグレイというかゴールドというか塗装されているみたい。
トップに大きめのパフボタン。
普段触れているようなある程度大きいサイズのMODであればサイドボタンで構いませんが、このくらい小さいとトップにないと押しづらくなりますから良い配置と言えるでしょう。
んでどれくらいのサイズ感かと言うと...
小さいでしょ?・・・よくわかんないか。
18650バッテリー機と比べたらこのくらい小さい。ん、まぁポッドデバイスと比べたら大きいっちゃ大きい。
こんな小さいとトップにパフボタンが無いとちと大変なわけだ。
中央辺りに3連並んでいるのがバッテリーインジケーター。
LEDが光る数でバッテリー残量を表してくれます。
- 残量|●●●:>70% / ●●:30-70% / ●:<30%
- 残量が無くなると点滅
充電用USBポートは上のほうにある。こういったポートは下のほうにあって欲しいんだが。
充電中。このようにLEDが点灯してくれますね。発光色は白だけのようだ。
Compact 14最大の特徴は、このようにアトマイザーを内包したいわゆるステルスタイプというところでしょう。
ステルスと言ってもガッツリ開放してる。なのでステルスってネーミングはどうなんだろうと思うけど。まぁVAPEって何かとワード盛りたがるよね。
底はブラスト処理されたような質感となっています。
このように各部分ごとに拘られていて、低価格ながら安っぽさはまったくありませんね。
アトマイザーを見ていくけど、ちょっとベイパー寄りの説明になるのは勘弁して欲しい。ってかほぼベイパーしか読んでないだろうけどネ。
アトマイザーの底に近いロレット加工されたらへんを掴んで反時計回りに回せば取り外せます。
実に長いアトマイザー。実際Compact 14より長いですからねぇ。
Φ14。Compact 14というだけあって、このクリアロマイザーの直径は14mmとなっています。
このクリアロマイザー、エアフローコントロール(エアー量調整)が可能です。
この黒いパーツを回して穴を開けたり閉じたりして、その変化の中から好みの吸い心地に調整出来るってわけ。
接続部分はego/510という規格となっており、付属のアトマイザーは外側のegoのスレッドで接続となります。
んで内側に510スレッドが刻まれているわけなので、ベイパー的には好きなアトマイザーが乗せられる!と期待感に胸が膨らむわけですが...。
Compact 14はΦ14のアトマイザー専用のハウジングとなっているので、物理的にそれ以上のサイズは入らないですね。
Φ14でリビルダブル可能なアトマイザーってあるのだろうか?Tiny RDAとかΦ14だけど丈がないから上から顔出ない。なので嵩増しするアダプターも必要だけどそんな都合の良いものあるのだろうか。
そもそも1.2Ωまでのコイルヘッドしか用意されていない事からも、Justfog的にはその範囲内での使用しか想定していないでしょう。無茶なビルドしてバッテリーに悲鳴をあげさせてもね...っていう。
んでこれがアトマイザー側のスレッドね。
ん~、なぜ現状のデファクトスタンダードな素の510としなかったのか?わかんないねぇ。
ドリップチップを取り外したところから見たアトマイザーの内部。
このヒトデ側の蓋がある事により、スピットバック...リキッドの跳ねが防がれる構造です。1.6Ωの高抵抗でどれだけリキッドが跳ねるかって気もするんだけど。当然こんな蓋があるからミストのダイレクト感ってのは減少するでしょうねぇ。
マルチドリップチップ
ドリップチップについて。
接続は510規格となっています。画像1番左がクリアロマイザー本体、その隣が純正の多分デルリン製のドリップチップ。
その隣の3つがベプログオリジナルのマルチドリップチップ(SUS製)となります。これらベプログオリジナルのドリップチップを見ていこう。
まず1番長いヤツの接続側はパンチング処理されており、これまたスピットバックを防ぐ為なんです。
こちらは実益があってプルームテックのたばこカプセルにリキッドが付着して濡れてしまうのを防いでくれます。たばこカプセルって濡れてしまうと吸えなくなっちゃうらしいんです。
短い2種は直接アトマイザーに挿してもいいし、先ほどの長いヤツの先端に挿して使ってもいい。
画像左はMTL(マウス・トゥ・ラング=たばこ吸い)向けの小径タイプ。右はこれまたバンチング加工されたDL(ダイレクト・ラング=直肺)向けとなっており、好みに合わせて使い分け出来るというわけ。
リキッド補充
続いてコイルヘッドを見ていこう。このパーツはプルームテックでいうカートリッジに相当する。というかカートリッジ内部に組まれているパーツとほぼ同じ役目やね。
Compact 14キットには1個だけ同梱されている。
抵抗値は1.6Ωと高いので...ぶっちゃけ風味の濃さには余り期待は持てない気がするね。別売りだけど1.2Ωのコイルも販売されています。
アトマイザーのベースパーツに時計回りに回して装着。
そしてリキッド補充していきます。
注意すべきは注ぐ場所。いかにもリキッドを入れてくれと言わんばかりの中央の大きな穴...ココに入れたら駄目です!ココはコイルが生成したミストが登っていく煙突なので、ここにリキッドを入れたら吸い口のほうからドバドバ垂れてしまします。
ソロソロソロ...っと少しづつ注いであげましょう。
補充している感じからは余りVG高めのリキッドは合わないように思います。まず粘性高いから注ぎづらいし、コイル抵抗値とコットン量的にも得意ではないでしょう。
初回使用時はコットンにリキッドが浸透するまで10分程度は待ちましょう!
これを怠って浸透前に加熱してしまうとコットンが焦げてしまい、コイルヘッド自体が使い物にならなくなってしまいます。
操作方法&保護機能
■ 基本操作
電源オン/オフ:パフボタンx4(2秒以内)
ベイピング:パフボタン押下
■ 保護機能
短絡:中央を除く左右のLEDが交互に3回点滅
アトマイザー未装着:全てのLEDが3回点滅
10秒カットオフ(過熱保護):パフボタンを10秒以上押し続けると電源オフ
過放電保護:バッテリー残量が空になる前にLED点滅
過充電保護:満充電で自動的に充電停止
過電圧充電保護:充電電圧が高い場合は停止
吸ってみる
ちなみにDL向けドリップチップを装着するとこのような感じ。かなり収まりが良くていい感じにフィットしていると思います。
それじゃあ吸ってみよう!
感想はあくまでも筆者の主観ですからね♪
ポッドレベルの風味!これが1.6Ωの実力か...。
かなり薄い風味となっていますねー。抵抗値から嫌な予感はしていたんだけど、やはりポッドデバイス程度の高抵抗コイルでは濃さがまったくもって物足りませんね。
おおよそ一般的なベイパーが風味を楽しむ為のデバイスの水準に達しているとは言い難い。小型である事がウリの1つであるポッドと比べたら大きな図体のわりにポッド同等の風味再生能力とは...。ぶっちゃけもう一つの1.2Ωのコイルだったならもう少し濃いのだろうけど、いかんせん評判が悪い。きっと抵抗値に対してコットン量がマッチしていないんじゃないだろうか。
しかしこのキット本来の存在価値は・・・次の吸い方をした時にある。
たばこカプセルとプルリキで吸ってみる
ロングタイプのドリップチップにたばこカプセルを装着。
本キット同梱のマルチドリップチップ、その中のロングタイプにはプルームテックのたばこカプセルが挿せるわけです。こちらで吸ってみたいと思います。
先ほどは普通に手持ちのリキッド(濃いバニカス)で吸ったのですが、プルリキのBROWN COFFEE PloomLIQUID(ブラウンコーヒー)を投入して吸ってみましょう。ちなみにたばこカプセルはメビウスのレギュラーです。
一応公式のブラウンコーヒーの説明を載せておく。
味の説明 | 業界初!プルームテックカプセルと同じ味のフレーバーが登場!!カプセル×プルリキでより濃く、さらに美味しく♪ ビタミンB12&カフェイン配合! コクのある香り豊かなコーヒーとまろやかな甘みを感じられる、一服にぴったりのコーヒーフレーバーです! ◆おすすめカプセル : ブラウンアロマ |
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本当はブラウンアロマに合わせるのが良いようだ。まぁレギュラーとのマッチングも気になるでしょ?本当はこのレビューの為に初めてプルームテックのカプセルってモノを買ったから、何が良いかわからずに無難っぽいレギュラーを選んだってだけなの。
これは新しい...そして旨い!
なんとも香ばしいコーヒーの香りが立ち昇り、カプセルの持つタバコ風味とブレンドされたミストはVAPEで味わえないものですね。なんたってガチのタバコ風味ですから。
いやー、私自身こういったプルームテックを転用して使う製品初めてだったので、こうなるかー!って新鮮さがあって楽しいです。
なんといってもプルリキ ブラウンコーヒーの香りが凄まじく強い。香ばしさと「コーヒーの苦味」が効いてて好みなのです。反面、公式説明にあるような「甘み」はまったく来ませんね。いわゆるVAPEのリキッドでは主体となっている甘味成分がまったく届いてきません。これはそもそもCompact 14の1.6Ωという高抵抗コイルの性能限界から来るものだと思います。
だけど!却って私がこれまで求めていたような、コーヒー&タバコとして完成してしまっている!VAPEのリキッドでもタバコ+コーヒーはありますが、どうしても甘み付けが強すぎるんですよね。これは求めていたタバコの苦味とコーヒーの香ばしさと苦味のブレンド。
さらに微量ながらカプセルからニコチン摂取も出来てしまうという。
これならニコチン液を海外から買ったり、自分で混ぜて作ったり、しっかり管理したりといった諸々の手間は無くなるね。そういった点をハードルと思ってニコチンリキッドに手を出せなかった人や、今現在プルームテックと併用しているベイパーには打って付けの組み合わせになりますね。
まとめ
Compact 14は価格からすると仕上げが良すぎる。あまりに綺麗に造られ過ぎている。押しやすいパフボタンに視認性の良いバッテリー残量表示も良い。外観的な不満点は無いに等しい。唯一ベントホールが見当たらないが、定電圧出力と専用コイルヘッドにより制御範囲内でしか放電しない事から廃したと思われる。
しかし、純粋なVAPE用デバイスとして評価すると、他の選択肢を勧めたくなってしまう程度の性能と言わざるを得ない。
まったくもって傑作Fog1を造った会社が一体どうしたんだ?そんな感じ。まぁminifitなんて小ささに拘って風味は蔑ろなポッドデバイスもあったけど。アレはポッドだから使用意図とも合致していたと思うんだよね。
けどCompact 14はさしてコンパクトでもない体躯にショボいコイルユニット。もう少しどうにかならんかね?そう思ったけど...今回のたばこカプセルを合わせて使うと「別物」ですな。
結局マルチドリップチップがええんじゃないかい?って結論になりそうだが、実質Compact 14の風味再生能力の低さとプルリキの濃い香り、そしてたばこカプセルという三位一体が成した結果が旨味に繋がったんじゃないかな。そう思います。
試しに抵抗値0.8Ωでビルドしたドリッパーにマルチドリップチップ+たばこカプセルで吸ったのですが、リキッドがバニカスでは合わなかった。組わせてって大切だねぇ。バニカスとたばこカプセルレギュラーの相性は悪い。甘みが来ちゃうと混ざってオエッてなりそう。
日頃から甘いリキッドばかり吸ってると、タバコ風味くらいは甘みもっと抜いてよーっと思っちゃうんですよ。
そんな事からもCompact 14の1.6Ωコイルの低性能ぶりが功を奏したというわけです。
冒頭にも書いたけど、このキットが合うのは以下の方々だろう。
- 普段吸ってるプルームテックの味に変化が欲しい
- プルテク派だがVAPEを始めてみたい
- ベイパーだがニコチン液の入手がメンドイ
それに加え「甘みの極めて少ないタバコ+コーヒー風味」を楽しんでみたい人にも向いているかと思います。