
トップ吸気サイドエアフローの22mm径ドリッパー。
日頃からアトマイザーの価格なんて風味には関係ないと言っていますが(言ってたっけ?)、それは今でも思います。高いかどうかはともかく、見た目が気に入ったものなら何故か性能が上がったような気がします。気に入った服を来てると気分が上がりますし、車も丁寧に洗車してやると走りが良くなったような気がしますよね。そんなわけで「外観」が「使用者に及ぼす影響」ってのは確実にありますね。
内容には関係ないですが、この記事は「令和」になって最初の投稿になります。
INOWIREと言えば中空ワイヤー。ワイヤーの中心に穴を空けた立ち上がり重視のステンレスワイヤーを造った事で有名なフランスのメーカー。
結構お高いワイヤーなので使った事は無いのですが世界的に評価が高いようです。今回レビューするのはそのINOWIREが造ったドリッパー。
価格は日頃レビューしている中華製アトマイザーの3倍といった高価格帯に位置します。
高くなるほど付属品が少なくなる...というよりは中華製がたっぷり付けすぎなのかもしれませんね。
それではNOTOS RDA見ていきましょう!
内容物
■ 内容物一覧
- NOTOS RDA
- BFピン
- スペア:ポスト用ネジ / Oリング
変わった色の「Oリング」ポストで使う「マイナス頭のネジ」「BFピン」が同梱されています。
製品仕様
■ NOTOS RDA スペック
- タイプ|RDA
- 大きさ|Φ22x28.8mm
- 重さ|26g
- 材質|SUS / Derlin / 他
- エアフロー|サイド
- コイル数|シングル
- リキッド保持量|ー
- ドリップチップ|独自
- コンタクト|510
- BF対応|可
- カラーバリエーション|全1色
- 製造国|フランス
製品詳細
シェイプとしてはシンプルにまとめられている印象です。段付き形状やドリップチップとトップキャップの隙間といった個性はあるものの、とにかく無駄な要素を廃したミニマルさで洗練されきっています。非常に好みですね。
底面にはNOTOSのロゴ。シリアルNo.は200番台前半。国内での取扱いが多いので入手性も悪くなく、かなりの数を作っていると思いきや若めの番号でした。価格帯から言ってもそんなに数多くは作っていないのかもしれませんね。
ドリップチップは接続部が独自な大広径となったもので、咥える部分の外径が10.5mm、内径は6mmでした。
トップキャップに2箇所オーバルが空けてあるようにトップ吸気となっています。そのためドリップチップとトップキャップに隙間が空けてあったわけですね。
接続部にある2つのOリングにてトップキャップとの接続を保持。
トップキャップからのエアフローは調整可能となっています。デッキ側形状を見ると、エアーは侵入してから絞られて中心に向かうようで、少し指向性が生まれる造りとなっているように思います。
トップキャップ内部天井はフラットでドリップチップ側もフラットな造りなので、特にミスト集約排出するといった構造ではありませんね。
そもそもかなりのローハイトなので、ドリップチップ直下にコイルが位置するから必要性もないのでしょうけど。
デッキは2ポストでセンターにシングルコイルというタイプ。
見ての通りウェルがとにかく狭く、チャンバーが形成されたあとはいかにも濃密な風味を生成してくれそうに思われます。
治具置き用のノッチもあり、かなり低い位置にコイルを設置することとなりそうです。
コンタクトピンを外してみました。黒PEEKもポロッと取れるのでピン交換時は紛失に注意ですね。
BFピン装着時はこのような状態となります。少し凸った位置から吐出するのでリキッドの吸い戻りは軽減されるかな。
ピンの出代としては標準~少し短めといったところ。ポジティブポストを固定しているので調整不可ですが、メカニカルMODのハイブリッド接続でも問題となる事はないでしょう。
ビルドしてみる
それではビルドしていきましょう。特にガイドとなるようなものも無いのでネジに直接巻きつけるように組めばいいでしょう。
手前のポジティブ側ポストは問題ないのですが、奥のネガティブ側はエアフローパーツ部分との隙間が小さく造られているので、上からワイヤーを入れる事は出来ませんね。
まずネガティブ側のネジを緩めて隙間からコイルリードを差し込んでネジに巻きつけて締めて固定、次にポジティブ側をネジに巻きつけて固定する順番とすれば良いでしょう。
構造を知れば組み付けは簡単ですね。今回は26ゲージ内径3mmで7巻としました。抵抗値は0.8Ωくらい。
このくらいの小さなサイズのコイルですのでコイルリードはポスト内側を通しましたが、もっと太いワイヤーで巻き数を増やした場合は外側からの固定でも良いでしょうね。
ポジティブ側ポストのコイルリード切断位置は注意が必要です。ネジ頭がデカイために切断位置がデッキ外周に触れてしまいそうになってしまいます。
事前に必要な長さを把握してカットしておくのが良いかもしれません。
コイル位置は非常に低くなります。エアホール位置と水平より少し低いくらい。しかしこれ以上持ち上げるとドリップチップ接続部に近くなりすぎます。なのでこの低い位置とする設計となっているようです。
とにかくウェルが狭いのでコットンも少なくなりますね。
MODに乗せてみる
22mm径だから定番iStick Picoにも乗りますね。
さすがにTempestのようなデュアルバッテリーでデカいMODにはちょこんと乗っかっている感が出て違和感ありますね。
オプションパーツ
別売ですがオプションのキャップ等も出ています。右の3つね。いづれも正規品です。ウルテム(PEI)のドリップチップとキャップ、デルリンのキャップを入手してあります。
適当に換装していきますね。まぁなんていうか同形状なので色味の組み合わせだけの違いだけど。
こんな感じですね。元々少し肉厚なので破損しづらそうなところがいい感じです。そこそこ値は張りますが質は高いと思います。
トップキャップは元が破損しないSUS製ですから、あえてオプションパーツで買うならドリップチップだけでもいいかもしれません。
吸ってみる
それじゃあ吸ってみよう!
感想はあくまでも筆者の主観ですからね♪
美味いわぁ。濃密感はそこまで強くない気もするけど、実にスムースなミスト。なにせ風味のバランスがフラットに出てくれますねぇ。
ドローとしてはエアホール全開時はかなりスカスカで軽いですね。これでもちゃんと濃い風味ではありますが、絞ればかなり重くも出来ます。MTLにも対応出来るかなぁってくらいの重さですね。絞れば風味の濃密感がかなり上がり、濃さも増しまくりますね。
まとめ
INOWIRE NOTOS RDA
9/10
■ NOTOS RDA のココがイケてる
- 最高のシェイプ
- 組みやすいデッキ構造
- 素直な風味
■ NOTOS RDA のココがイマイチ
- リキッド保持量
構造的にリキッド保持量の少なさは気になりますね。BF専用とまでは言わないまでもドリッパーとしての使用では補充頻度が高過ぎかなーって思います。今回は0.8Ωくらいで組みましたが、適している気がします。あまり低抵抗で組むような構造にはなっていませんね。
正直言って風味に関しては中華製の味の出るものと比べても、価格が高いぶん美味いとかってのはありません。
冒頭書きましたが、見た目が気に入っているだけで特別な風味に感じるんです。そこが重要だと思います。それに生産数の少ないものは所有欲を良く満たしてくれます。