
防水・防塵・耐衝撃を備えたデュアル18650バッテリーのレギュレーテッド。
Geek VapeのAegis Legendは保護等級IP67の防水・防塵性能を備え、耐衝撃性に優れた筐体の中に高性能なASチップセットを搭載したデュアルバッテリーの大出力MODです。
アトマイザーに関してはそれなりの種類をレビューしてきているGeek Vape製のプロダクト。以前から気になってはいたものの中々機会に恵まれずに触れてこなかったAegisシリーズ。本来であればそこまで必要としていないデュアルバッテリー機ですが、なんとなく気にはなっていて、シェイプもスペックも手を出さずに入れられない男心をくすぐるものがありました。2018年4月にリリース開始されていて、そろそろ市場からも消えそうだし。ちなみに本記事は「平成」最後の投稿になります。
Geek Vapeとは...
中国深センのメーカーであるGeek Vape(ギーク・ベイプ)はAmmitやZeusといった人気アトマイザーのシリーズを持ち、堅牢性に優れたレギュレーテッドのAegisシリーズの他、コイル用ワイヤーやツール類もリリースしています。2016年のAvocado RTA/RDTA以降、精力的に製品をリリースし続けている中堅規模のメーカーです。
Aegis Legendはシリーズとしては2作目かな?初代はシングルバッテリー機で、他にもビルトインバッテリーの小型機が存在しますよね。今回レビューするのは最大出力が最も大きいデュアルバッテリー機となっています。
まず開封。開けた段階でMOD本体の埃付着が多くて萎え萎えです。黒だから目立つってのと、ボディを覆うシリコンカバーがとにかく埃吸着しちゃうので、ある程度は事前に覚悟していましたが...もう少し準クリーンエリアで梱包するなりして欲しいところかな。やはり最初から埃まみれって印象良くないですよ。
内容物
■ 内容物一覧
- Aegis Legend
- スペアパーツ
- USBケーブル
- 取扱説明書
スペアパーツはUSBポートの「シリコンカバー」とフレームパーツの「固定ビス」。ビスの頭はトルクス(ヘックスローブ)なので、お手元に工具をお持ちではない方も多いでしょう。こういったものこそ工具を付けて欲しいものです。普段のアトマイザーの六角とかマイナスドライバーとか不要なんですよねぇ。もう何十本、いや100本以上は溜まっているでしょうか。
製品仕様
■ Aegis Legend スペック
- タイプ|テクニカルMOD
- 大きさ|30.6x58.5x90.5mm
- 重さ|200g
- 材質|SUS / Zinc alloy / Aluminium / Leather / etc
- バッテリー|18650 x2
- 出力範囲|1-200W
- 電圧|0.1-8V
- 対応抵抗値|0.05-3Ω
- モード|VW / BYPASS / VPC / TC(Ni/Ti/SS)/ TCR
- 温度管理範囲|100-315℃
- スクリーン|カラーOLED 0.96インチ / 149ppi
- コンタクト|510
- チップセット|Geek Vape AS
- ファームウェアアップデート|可
- カラーバリエーション|多数
- 製造国|中国
製品詳細
ここからは極力、埃は除去した状態で見ていきます。
頑丈さがウリのMODですが、各パーツの材質としては、トップとボトムはSUS、筐体全体はシリコンで覆われ、ロゴの入ったガードパーツはアルミ、グリッピング部は合皮、ボタン類は亜鉛合金となっています。その他にも炭素金属が用いられた部分もあるようです。
外観のイメージとしては、全体的にミリタリー調と言えるゴツさを押し出したスタイルと言えるでしょう。
ミリタリーと言えば「MIL規格(ミルスペック)」があるように、軍事用途の水準を満たした製品が民生用にも様々販売されています。しかし実際のところ規格を満たしておらず必ずしも頑丈な製品ばかりでは無いところに注意も必要です。
当然Aegis Legendにおいてもミリタリー調なだけでMIL規格ではありません。日常的な使用の範囲において他のMODよりは優位である程度と認識しておいて良いでしょう。
そもそもAegis(イージス)という名称ですが、ギリシア神話に登場する女神アテナが天空神ゼウスより与えられた防具(盾)から取られています。
イメージとしてあらゆる防御・防具の頂点的な位置づけとなっています。イージス艦しかり。
そんなイメージから付けられた名称であるAegisは「IP67防塵・防水」と「耐衝撃性」に拘っているというわけです。
ちなみにIP67というのは国際規格IECを基準に各国の品質基準に落とし込まれた規格となります。IP67は日本においては防塵性能は最高値(まったく塵が侵入しない)、防水性能は1mの水深に30分間置いても浸水しないレベルと定義されています。
今回手にしたのは黒いレザーに赤いステッチが映える『ステルスブラック』をチョイス。このレザーに関してはどこのサイトを見ても決定的な記載が無かったから詳細不明だけど「本革」ではなく「合皮」だと思います。革特有のニオイが無いから。
それでは各部を見ていきましょう。
コンタクトはMODセンターに位置します。アトマイザーが中央に乗っかるというわけですね。
内部レイアウトの都合なのか隅の方に寄せられたMODが多いなか、センター配置が採用されているのは少数派。どちらが良いという事ではありませんけどね。
シリコンカバー含めれば幅は30mmちょいありますが、SUSが露出している部分で見れば26mm径のアトマイザーまでがオーバーハングせずに乗せられる限界といったところかな。
スペアも同梱されていたシリコンカバーをめくれば「充電/ファームウェアアップデート」向けのUSBポートにアクセス可能です。
デュアルバッテリーをMODのUSB給電で充電する層がどのくらいいるか不明だが、防水性をウリにするなら一層のことこういったポートは取っ払っても良かったのはないだろうか?そのように思います。
前面パネルには「パフボタン」「OLEDスクリーン」「プラス/マイナスボタン」が配置。
パネル自体は反射の強いアクリルといった感じ。無駄なものが無くて好ましい。
亜鉛合金製のパフボタン。触れた感じはめっちゃ樹脂っぽいんですけど。
特徴的なシェイプですが、親指で押し下げるように押せるのは実際とても使用感が良いですね。
MOD自体を握って指を添えればわかりますが、この「押し下げる」ように押せるというのは実に自然な動きなのです。
これまた押しやすく両サイドが盛り上げられているプラス/マイナスボタン。小さめですが押しやすい。
底面にはバッテリーカバー。底の面から凹ませた位置にロック解除スイッチがあります。これをスライドして開きます。
ちなみにベントホール(ガス抜き)は5穴がこの位置に。
バッテリーハウジング底にも蓋側にも極性表示されています。
ちなみに蓋に6穴あるのがベントホール内部側になるのですが、軟質シリコンのような材質となっています。Aegis Legendは防水仕様ですから底から水が侵入しないようにシリコンでカバーされているわけですが、もしガスが吹いたらシリコンカバーが破れて外部にガスを逃がす構造のようです。いや、もしかすると水が通らない程度の穴が開けてあるのかもしれない。その辺の情報も無いから予想です。
もし破れるなら一度でもガスが吹いたらは防水性能は損なわれるといった事となりますね。そこのところは公式に説明しておいて欲しいところです。
最大200Wの大出力ですからスタック(直列)接続になります。
使用するバッテリーはペア(同製品/同使用状態/同残量)を用いましょう。
サイズ感としては、さすがにデュアルバッテリー機といった大きさ。且つ2本のバッテリーが加わった重さも中々とズッシリと来る。
しかしこの見た目が気に入って選ぶなら、こういった部分が逆に魅力的に思えるはず。ミリタリー調ってのはそういう事です。
このアルミ製のガードパーツはトルクス4箇所で留められているだけなので割と簡単に外せます。確かこれ単品でも販売されていたはずですから、もし落下して傷つけたり、カラー変更したい場合にも手軽に交換出来るってことですね。
ちなみに合皮パーツは貼り付けでした。こちらは残念ながら交換不可でしょうね。
操作方法説明
■ Aegis Legend 操作方法<基本>
- 電源オン/オフ:パフボタンx5
- ワッテージ増減:プラスorマイナスボタン
- モード変更:パフボタンx3 → プラス/マイナスボタンで切り替え → パフボタン長押し
- 抵抗値ロック:抵抗値にカーソルしマイナスボタン
- 操作ロック:プラス/マイナスボタン同時長押し(パフは機能する)
- ステルス:全ボタン同時長押し
- 輝度変更:パフボタン+プラスorマイナスボタン
- カラー変更:モード変更状態でプラス/マイナスボタン同時長押し
- ファームウェアバージョン確認|電源オフ時にプラス/マイナスボタン同時長押し
- 初期化:FW確認画面で全ボタン同時長押し
■ Aegis Legend 操作方法<TC>
- 設定温度増減:プラスorマイナスボタン
- 抵抗値ロック:抵抗値にカーソルしマイナスボタン
■ Aegis Legend 操作方法<TCR>
- TCR値増減:TCRにカーソルしプラスorマイナスボタン
■ Aegis Legend 操作方法<VPC>※カーブモード
- ワッテージ増減:P1からP5(計5秒)まで1W刻みでプラスorマイナスボタンで設定。パフボタンでメイン画面に戻る。
■ 機能面の補足
VPCなるいわゆるカーブモードは1秒刻みかつ1W刻みという大雑把仕様。もう少し緻密に設定したいなぁという印象。
カラー変更は、せっかくのカラーOLEDスクリーンなのに3種類からしか選べない!しかも赤と青系2種という偏った仕様。ん~なんでだ。
アトマイザーを乗せてみる
適当にアトマイザーを乗せてみます。大きいので太いか長いヤツが似合うと思います。
画像ないけどZeus X RTAは最高に似合うと思います。やはり大きめでそれなりに丈のあるアトマイザーが合いますね。
まとめ
Geek Vape Aegis Legend
8/10
■ Aegis Legend のココがイケてる
- 堅牢性
- 大出力
■ Aegis Legend のココがイマイチ
- 埃付着が多い
- 機能面が物足りない
外側に優れるも内側は劣っている面も。
見てきた通り材質等ガワへの拘りはわかると思います。過信は出来ませんが防水性をアピールしている事からも、他のMODのような水没で故障って事象は少ないかもしれませんね。耐衝撃性能に関しては試しようも無いわけですが、落としたら傷が付くのは防ぎようがありませんね。特にアルミのガードパーツが傷ついたらそれだけで萎えるでしょう。そここそ交換可能なシリコン系パーツとすべきでしょう。全体を覆うシリコンパーツも埃が付着し過ぎで日常使用で気になる人は多いと思います。防水仕様だから洗えばいいだろうって事でしょうけど、実際埃付着くらいでわざわざ洗わないよね。乾かすの手間だもの。
機能面に不足があるとまでは言いません。基本的な機能は網羅しているし操作も煩雑ではない。けど、VPCモードやカラーパターン数なんてのは、もう少し細かく変更出来るようにするのってコスト掛かるんですかね?あと一歩足りない印象なんですよね。
個人的にイマイチだと思った点も多く書いたが、実は気に入っています。
これは「軽く落としたり濡らしたくらいで壊れてほしくない」「レジャーなどのお供に持っていきたい」にプラスして「余裕のあるパワーが欲しい」「大きなアトマイザーを合わせたい」そういった要求にはマッチするでしょう。私の場合は家用ですけどネ。
粗製乱造が多いなかGeek Vapeはしっかりと造っている印象があります。
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