
どちらかと言えばMTL好き!って人には是非とも使ってみてもらいたいな。
さて、ポッドデバイス全開な世の中ですな。とはいえRBAも無くなっているわけではない!
外ではポッド、家ではRDAやRTAでビルドして存分に満喫。そんなスタイルになりつつあるけど...いや、私の場合は持ち出しするのもビルドしたものが多いかも。
何十個もアトマイザーは持っているけど、やっぱり頻繁に使うのって決まってくるよね。と言うのも私の場合はどちらかと言えば重めの吸い心地を好んでいるんですけど、そうなると手持ちでも使うアトマイザーは限られてくるんだよね。
そんな限られたメンツの中に割り込んで入っちゃうの確実なタンクアトマイザーが今回レビューするPrecisio MTL Pure RTAだ。もうね、文句ない。
概要

Precisio MTL Pure RTA の特徴
メーカーのBD VAPEってのはFumitechのサブブランドで高級ラインのようです。公式サイト見てるとアクの強いMODとか色々出してるんですよね。価格帯もちょっと高めときたもんだ。でも今回レビューするアトマイザーは見ためのわりには優しいプライスと言えるかな。ガッツリとMTL(マウス・トゥ・ラング=タバコ吸い)向けの設計となっているようですよ。
パッケージ
筒ケースに入った製品は良いものが多いとかってハナシがあるとかないとか。ちなみに印刷されているPrecisio MTL Pure RTAは実寸となっています。要するにケースが無駄にデカい。さぁ開けていこう!
内容物
- Precisio MTL Pure RTA
- コンタクトピン
- Oリング
- ポストスクリュー
- プリメイドコイル
- コットン
- ドライバー
マニュアル(取説みたいな紙)によれば出力の低い運用を推奨しているようです。MTL向けという事なので抵抗値高めで低い出力が合うという事ですね。
製品詳細
外観を見ていく
外観をざっくりと見ていこう。
タンク部分は半分以上がSUSとなっており、リキッド残量確認の為に下のほうだけPEIとなった構成。あまり主観を述べても仕方ないところだけど、SUS部分がもう少し短ければ最高に好みだったところ。
MTL向けという事でドリップチップも小径のものが使われています。内径は5.3mmと少し絞ってあるかな。
出口と対になるエアー入口は下部にあるAFC(エアフローコントロール)リングにより調整が可能となっています。
目の細かいローレット加工がされていますが、ちゃんと滑り止めとして機能します。
コンタクトピンは標準的な突出となっていました。今更ではありますが、ピンは締め込んだ状態で使うべきものです。ヘタに調整したりせずにおきましょう。
コンタクトピンはマイナスドライバーがズルッてならないタイプ。外す事はほぼないだろうけど配慮されています。
各パーツを見ていく
とりあえずバラシてみました。
基本的には5パーツでの構成となっておりタンクアトマイザーとしては標準的なパーツ数です。
以降パーツごとに見ていきます。
ドリップチップは510ですのでお好きな手持ちのものに付け替えてもいいでしょう。接続部の長さは丁度5mmとなっています。
標準ドリップチップは先端PEI部分がスレッドねじ込み方式の2ピース。トップキャップとの510部分がOリングの為、こちらは引き抜く時に外れないようにスレッドにしてあると思われる。
トップキャップの裏側。まさにフィルポートをカバーする為のキャップでありフラットになっています。
タンク部分の2ピース、SUSとPEIの接続もスレッドなのでねじ込み構造。極めて精度良く造られており装着時は隙間ゼロ、段差もなくピッタリと一体化します。
トップキャップを外してのリキッド補充が可能です。大きなフィルポートが設けられています。
リキッド保持量は2.7mLと控えめではありますが、MTL向けで低出力運用であれば適当であるかもしれませんね。
チャンバーパーツ内部はとても綺麗なドーム型となっています。う~~ん、ホントーに綺麗。
インテークは長いオーバルと丸穴6連の2パターン。どちらを用いるにせよ細かなフロー調整が可能となっています。
菱形ポストが特徴的なシングルコイル専用デッキ。22mm径のタンクアトマイザーなのでデッキはかなり小振りとなっています。
中央のオーバル2本からエアーが吹き上げるボトムエアフロー構造。
ジュースホールは3穴づつ。タンク内の補充したリキッドがこの穴から流れ込みウィックが吸い上げるというジュースフロー。
ビルドしてみる
抵抗値は高めがいい。公式によると少なくとも0.6Ω以上は確保する事を推奨していたんじゃなかったかな。
適当に組んだら0.5Ωくらいになった。と、そういえばプリメイドコイルが付属していたのを思い出した。
という事でプリメイドコイルに置き換え。
ポストの造りが良くて、ほぼ両サイドのガイド部分とネジに隙間が無いので、コイルリードを通したらネジを締め込むだけで固定出来る。
通電させたら青みがかったのでニクロム系だったようだ。抵抗値は0.66Ωくらいと、思っていたよりも低めなのが気になったが仕方ない。
もう少し巻き数増やして使っても良かったかもしれません。
極力エアホールに近づけるようにコイルの高さはかなり下げてみました。
ウィックはかなり削いでみました。エアー量を控えめで運用する予定ですから、低出力に合わせて少ない量が合っているんじゃないかな。
あとは適宜リキッドをフィルしてタンクパーツを組み付けていけばOKですね。
同梱されていたプリメイドコイルの内径は2.5mmです。
ゲージにもよりますが、コイル内径は3mmがギリギリのサイズです。それより大きいとポストと接触してしまいます。
MODに乗せてみる
記事作成段階で気付きましたが、タンクパーツSUSとPEIをキッチリと締めておらず、僅かに隙間が空いてしまっています。実際には隙間なく締める事が可能です。すみません。
吸ってみる
それじゃあ吸ってみよう!
感想はあくまでも筆者の主観ですからね♪
風味/ドロー | エアホールをオーバル全開から吸っていこう。DL(ダイレクト・ラング=直肺)で吸えますが、スカスカではありませんが、少し抵抗感のある軽さ、んで笛鳴りがありますね。エアホールを閉じていくごとに徐々に重くはなりますが、まだDL可能といったところ。風味は濃いとは言い難い。
続いて丸穴のほうで吸います。まず6穴全て開放だとオーバルを締め気味にしたのと同じくらいのドローで、風味は明らかにこちらのほうが濃い。3穴開放でMTL向けの重さに変化。風味も増してきます。最後に丸穴を1穴のみ開放の1番重くなるであろう調整で吸うと、完全にMTLな重さです。が、激重ってほどでもないかな。実質このくらいの重さが吸っていて疲れず風味もギュッと圧縮された感が生まれてきます。申し分のない濃さ、とてもウマい風味を楽しめます! |
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まとめ
■ Good
- 美しい外観
- 無駄の無い機能美
- ライトDL~ミドルMTLのドローレンジ
- 凝縮される風味
- まずまず組みやすいデッキ
■ Bad
-
- ない
凄まじい完成度。
これまで触れてきたアトマイザーでベスト3に入る美しさ。綺麗。そしてとてつもなく丁寧な加工で外観上の欠点は見いだせない。メーカー名等伏せたうえで価格が倍と言われても違和感は感じられないだろう。
構造的に比較対象となるのはKayfunか415だと思う。それらからの影響を感じられる部分は見られるが、とても上手くまとまっている。ビルドして得られる結果までの道程、その全てを見る限り比較2アトマイザーを上回っている感すらある。要するに簡単に良い味が出せる。それでいて価格は1/2~1/3程度となっている。
MTLアトマイザーとしてはドローの重さに物足りなさを感じる人もいるだろう。おそらく過度に重いドローを好まない大半の層にとって、この中途半端とも言えるドローレンジは却って柔軟で、どこかに気に入るポイントは見いだせるはず。私は画像のように丸3穴で吸うのが特に気に入った。
私が製品を(偉そうで恐縮だが)評価する時は常に価格も加味しています。
アトマイザーにおいて高価格だから味が良いって方程式はまったく当てはまりません。それは用いる材質に差がなく製法や構造においても大きな差がないからです。高価格製品の存在意義は「持っている人が少ないという自分の中だけの優位性」であり、ジュエリーや高級時計のような原石や特許といった囲い込みの中で高価格を維持しているプロダクトと本質的には違うが、値付けだけは似たような状況です。
どこかの動画か何かでこの製品を「ハイエンド」といったワードで修飾されているのを目にしましたが、???わかってないのかな...この記事で書いたけど、こういった使われ方が蔓延しちゃってるんだよなぁ。
Precisio MTL Pure RTAは低価格、というか標準的な中華製アトマイザーの価格ながら、目で良し!舌(鼻)で良し!の満足度のすっごく高い製品です。ライトなMTL派の方には手にとってもらいたい。
製品仕様
- タイプ|RTA
- 大きさ|Φ22x48.9mm
- 重さ|47g
- 材質|SUS304 / PEI / PEEK
- リキッド保持量|2.7mL
- エアフロー|ボトム
- コイル数|シングル
- ドリップチップ|510
- コンタクト|510
- カラーバリエーション|全2色
- 製造国|中国
- 価格|$56.8
- 公式サイト|Fumitechfa-external-link